はじめまして。
SAVARNAの佐藤です。
はじめましての記事で
いきなりこんな話題から入るのは、
やや重たいと感じられるかもしれませんが、
なぜ“サラリーマンを辞める"
という選択がこのタイミングだったのか
自分の忘備録として、
ここに記しておきたいと思います。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」
という言葉があります。
二つのことを同時に欲張ると、
どちらもうまく行かないという意味です。
日本に古くからあることわざですが、
これを現代版に置き換えた
興味深い実験があります。
アメリカの「ダン・アリエリー」という
行動経済学者により行われた
「扉ゲーム」というものになります。
内容はこうです。
パソコン画面上に
「赤・青・緑」の扉が表示されています。
扉を開ける(つまり扉をクリックする)と
一定の現金報酬が加算されます。
各扉で得られる金額はランダムです。
けれど、各扉には
出現する金額の範囲が決まっています。
例えば、
赤は1~10セント、
青は3~12セント、
緑は1~7セント といった具合です。
なお、この金額範囲を被験者は知りません。
被験者がクリックできるのは100回。
できるだけたくさんの報酬を稼いでもらいます。
条件として、
・扉を開けるのは1クリック。
・別の扉を選択する際も1クリック消費する。
つまり同じ扉を開け続ける分は、
クリックするたびに
報酬を多かれ少なかれ獲得できます。
しかし、別の扉に変える際は
報酬が獲得できないクリックを
1回分消費してしまうわけです。
この「扉ゲーム」で
最も多くポイントを稼ぐ方法は、
できるだけ少ないクリック数で、
どの扉が一番高いポイントを
高頻度に出してくれるか見極め、
見極めたあとは
その扉のみずっとクリックすること。
これに尽きます。
実際に、多くの被験者が上記の選択をしました。
しかし、たった1つ、“ある条件”を加えるだけで、
平均報酬額はガクンと落ちてしまいました。
その条件とは、
「他の扉が連続5回クリックされたら、
クリックされなかった扉はなくなってしまう。」
という条件です。
3つの扉をまんべんなくクリックしないと
選べる扉が減っていってしまうということになります。
そして、なくなった扉は二度と復活できません。
被験者には扉がなくなるのが、
5回だと前もって伝えて実験を実施しました。
ここで重要なのは、
扉が消えようが消えまいが、
報酬を多く稼ぐ方法は先ほどと変わらないということ。
少ない報酬しか出ない扉は
さっさと消してしまって全く問題ないのです。
しかし、結果は予想外のものでした。
扉が消えるという条件をつけただけで、
多くの被験者が3つの扉を
維持することに注意を払うようになりました。
その結果、最初に実験した時よりも、
報酬額が落ちてしまいました。
この実験でわかることは下記の通りです。
「人は、とにかく、少しでも多くの選択肢を
残しておこうとする心理が働きます。
しかし、そうすることで、失うものがある
ということに多くの場合、気づいていません。」
こういった現象は、
マイホームを注文住宅で
検討されている場合なんかにもよく見られます。
私が以前担当した、とあるお客様は
「将来使うかもしれないから、
予備の部屋も作っておきたい」、
予備の部屋も作っておきたい」
とおっしゃられました。
しかし、裏を返せば、「使わない可能性」
だってあるわけです。
そして、その「使わない可能性のある空間」
にももちろん、費用はかかってきます。
選択肢を見極め、
1番大切だと思えるものだけに目を向ければ、
(もちろん価値観は人それぞれありますが)
おのずと、それらの費用を、家族との休暇や
夢を追う子供の学費に
十分に充てることも可能になります。
このように「選択肢を増やす」
ということによって、
本来使えるはずのお金や時間、
パワーをすり減らしてしまうことも
往々にしてあるのです。
かつて、中国の名将「項羽」は敵陣に攻め込む際、
退路用の見張りや給仕係を配置せず、
全員を戦闘員にアサインしたことで、
限られた人数で、
最大限の成果を挙げてきたそうです。
「全滅か勝利か」という傍若無人な戦略のおかげで、
決して人気のある中国武将ではありませんが、
兵士たちの集中力を高めるという面では
抜群に長けていました。
「選択肢を減らす」ということは、
一見、不合理なように思えます。
しかし、「自分にはこれしかない」
というマインドを持ち、
ひたむきに1つのゴールに向き合う方が
様々な選択肢の中から最適解を探そうとするより、
1つのことに全力を注げるわけですから、
良い成果を生み出したりします。
私の場合、
「サラリーマンをやりながら、
起業の準備をすればよい」では、
いつまで経っても
物事の本質にたどり着けない気がしました。
頭の中に「何かおもしろそうなアイデア」
がある以上、全力を注いで、それをカタチにして、
より良いモノを創り出していくこと。
それこそ今、
自分が取り組まなければいけないことだと感じたので、
ここに記しておきます。
長文を読んでいただきありがとうございました。
以降はこれの半分以下の文量になるので、よければ購読してみてください。笑